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探偵社ブログ

「自分だけは他人なのだ」後半

二世帯同居は「生活音」に気を遣う

二世帯住宅で妻の両親と同居しているサトルさん(48歳)は、「お互いに気を遣うから家にいてもくつろげない」とつぶやく。

結婚して14年、12歳になるひとり娘だけは気兼ねなく暮らしているが、1階が両親、2階が自分たちとなると生活音にも気を遣う。

「そもそも二世帯住宅といっても、完全な二世帯ではないんです。2階には小さなキッチンとトイレがあるだけで風呂は1階、両親の寝室の横を通らなくてはならない。

僕は朝、シャワーを浴びるんですが、出たあとタオルを巻いてふらふらするわけにもいかないので、いちいちバスローブを羽織って2階に上がってくる。ドライヤーを使うのもテーブルです。あとから髪の毛が落ちていると妻に怒られるんだけど、だったらどこで髪を乾かせばいいんだよと言いたくなります」

両親はいい人たちで、小言ひとつ言われたことがないが、それも逆にプレッシャーになる。

以前、酔って帰宅したとき、深夜に大きな声で歌って両親が目を覚ましたと妻に怒られたのだが、両親は「気にしないで」と言うだけ。いっそからかってくれればまだ気が楽なのだが、そういう砕けたユーモアはない。

半身後ろ向きの態勢をとるハメに

「妻がみんなで外食しようと言い出すことがあるんですが、僕は家にいるときは、いつでも伏線を張って半身後ろ向きの態勢をとっています。

つまり、休日、妻が突然、そう言いだしたときに『悪い、この仕事をどうしても今日中に上司に送らないといけないんだ』と言い訳できる態勢にしてある。休日でもPCの電源を入れて、いかにも仕事をしているふうを装っておく。実際に仕事をすることはほとんどないんですが……。

娘は『じゃあパパは留守番ね。もう、昼間に仕事をしておけばいいのに』と言ってくれますが、妻は僕が行かないと言うと、ちょっとホッとしたような顔をする」

両親と娘とその娘。その4人がいちばん落ち着くのだろうとサトルさんも察している。

両親も、たまには「水入らずで行ってらっしゃい」と言ってくれてもよさそうなものだが、遠慮がちに見えて、そういう配慮はしてくれない。自分だけは「他人」なのだろうとサトルさんは感じるという。

「妻の両親もそろそろ80代。この先、介護問題も出てくるんでしょうね。自分がどこまで協力できるか自信がありません。

いっそ、家を売ってそのお金で施設に入ってくれたほうがお互いにいいような気はします。もちろん、間違っても妻にはそんなこと言えませんけどね」

妻が親を大事にしているのは、もちろんいいことだ。それはわかっていながら、サトルさんはときどき、北日本の小さな町でひっそり暮らしている両親に思いを馳せている。

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